私たちは賃貸の物件に暮らしています。今回、契約書に書かれていない設備が故障して、その費用負担は誰がするかと話し合い、結論としては貸主さんが負担することになりました。その経過や要点をシェアしますね。
私たちは賃貸の物件に暮らしています。
で、今回、契約書に書かれていない設備が故障して、その費用負担は誰がするかということで、不動産会社や貸主さんと話し合いました。
始めは不動産会社と貸主さんから「借主(私たち)が負担して欲しい」という話をされたのですが、キッパリ断り。
結論としては、貸主さんが負担することになりました。
でも、その決定がされるまでに不利益な話もありましたし、不安になることもあったので、体験談としてまとめを書きます。
そして、私たちと同じように不利益な話をされて、負担しなくて良いのに了解して、修理費などを負担してしまう人がいないようにと思います。
【賃貸の体験談】契約書に定めが無い設備の修理費用は誰が負担する?
私たちはディスポーザー付きの賃貸物件に暮らしています
私たちは賃貸の家に暮らしています。
ネットで公開されていた賃貸情報をもとに、(名前は伏せますが)某不動産会社に仲介してもらい、契約して暮らしています。
で、この物件には『ディスポーザー』という設備があります。
ディスポーザーは、台所の排水口に取り付けられている家電なんですが、生ゴミを排水口からディスポーザーに投入すると、細かく粉砕して生ゴミは水道水とともに排出されていくシステムです。
こんな感じです↓
だから、一般的にはごみネットを使って、生ごみを回収して捨てるテマがかかるけど、ディスポーザーがあればそうしたテマもなくなります。
ただし、ディスポーザーにもメンテナンスが必要です。そういったことを知らないまま、入居したんですよね。
入居前に、不動産会社は「ディスポーザーがあって便利ですよ」と話していました。私たちは「どんなメンテナンスがいりますか」と質問しましたが、特にいらないという話だったのです。
「魔法みたいな家電だな・・・」という不可思議さはあったものの、そのまま入居したという流れです。
ことの経過 ディスポーザーが故障して浄化槽洗浄代の負担を求められる
で、ディスポーザーは主に奥さんが使ってくれてるんですけど、ある日、ディスポーザーのスイッチを押しても、一向に処理し終わらない事態が発生しました・・・
延々とディスポーザーが動き続ける。
ウィーーーーーーーーーーーーーン!
「あぁ故障したのかなあ?」ということで、不動産会社に連絡。対応をお願いしました。
いつもなら、不動産会社が業者を手配してくれて、修理してもらえる。今回もそう思っていました。
ところが、不動産会社からの連絡は予想外の内容でした。
「賃貸借契約書にディスポーザーが明記されていないですね」ということで、「貸主様の意思です」と言って、次のことを電話で奥さんに言ってきました。
- ディスポーザーの修繕や浄化槽の清掃代については、私たちが負担してほしい
- 今後はディスポーザーを使わずに、ごみネットを使って欲しい
- それでもディスポーザーを使いたいのであれば、浄化槽の清掃代は私たちが負担してほしい
しかもその浄化槽の清掃は年に1回は必要で、年間30,000円以上するっていう話だったんですね。
いや、高すぎだろ・・・。そんな話、聞いてないぞ!ディスポーザーを使わずごみネットを使ってくれだと?不便すぎる。許すまじ。フンガー!
奥さんからその話を聞いた私は、「道理で考えても不当な話をされている」と思って、ネットで色々と調べました。
そしてまず不動産会社に連絡したのは、
- 今後のやり取りは電話ではなく、メールでお願いします。
ということ。ちゃんと証拠を残しながらやり取りしたいと思ったからですね。
電話だと言い逃れされたり、不当な話を紛れ込まされうると思いますが、メールだと慎重にならざるをえない。
それはこちらも同じなんだけど、「道理で考えても不当な話をされている」と思ったので、メールでとお願いしました。
問題:賃貸借契約書の設備にディスポーザーや浄化槽が明記されていなかった
そもそも事の原因は、ディスポーザーの不具合でも、浄化槽の洗浄が必要になったことでもありません。
こんなやり取りをしないといけなくなった原因は、賃貸借契約書の設備にディスポーザーや浄化槽が明記されていなかったことです。
つまり、仲介していた不動産会社のミスだろうと。
入居する時には、不動産会社からディスポーザーがあるという説明はありました。
入居する時には、ディスポーザーの取り扱い説明書も受け取りました。
だけど、肝心の賃貸借契約書には、その設備のディスポーザーとか浄化槽っていうのが書かれていなかったんですね。
通常、設備として書かれていたら『貸主の負担で修繕する』ってなる。
でも、賃貸借契約書のどこにもディスポーザーや浄化槽の話が無い。だから、実体としてはあるんだけど、契約上は宙ぶらりんな物になってたんですね。
これは単純に、仲介していた某不動産会社のミスだと思うんですよね。貸主さんも驚いたことでしょう。
だからこれって、『契約後に発覚した貸主・借主に不利益な話』だと思いました。貸主さんも、困っただろうなあ。
でも、不当な要望に「オッケー。わかりました。」なんて言ってたら、泣くのは私たち。
それに、今後も契約書に書かれていないことで不具合が起きて、いつも私たちが負担することになってたら、安心して暮らせないですよね。
だから、ネットで色々と調べました。
貸主が修繕費を負担すべき根拠=民法606条+賃貸借契約書の規定外事項
で、次のようなサイトを参考にしつつ、「どうやらこれは民法の606条が該当するだろう」と思ったんですね。
≫弁護士法人キャストグローバルHP 契約書で定めが無い場合、設備が故障したときの修理費用は、誰の負担?
≫CHINTAI情報局HP 大家さんが賃貸物件を修理してくれない!対処法や家賃の支払い拒否について解説
(賃貸人による修繕等)第六百六条 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
引用元:民法 | e-Gov法令検索
民法上は、貸主が修繕する義務を負っているっていうことなんですね。
もし私たちがディスポーザーをわざと壊したのであれば、私たちが負担しないといけないけど、そういうわけではなかったんで。じゃあこれは、民法606条が適用されるでしょうと思いました。
しかも、賃貸借契約書には『規定外事項』として、「契約書に書かれていない問題が起きたら、民法等に従って解決すること」っていう定めがありました。
だから、契約書としても、民法としても、私たちが負担するのはおかしいと確信しました。
しかも不動産会社の言い方は、『貸主様のご意思』として私たちに伝えて来ていた。これって、不動産会社は伝書鳩に徹して、責任を逃れているように見えたんですよね。
不動産会社は、契約書に定めがない設備が故障したら、法的には誰が負担することになるのか。答えを知っているはずなんです。プロなんだから。
『法的には貸主が負担すること』と知っているからこそ、会社としての意思をまじえずにただの伝言役になろうとしていると思ったんですね。「ずるいなー」と思いました。
対応:民法606条と賃貸借契約書の『規定外事項』を根拠に、貸主が負担するよう求めた
で、うちらが伝えた要点は次のことです。
- 入居前からディスポーザーは設備として説明されていたし、取扱説明書も受け取ったので、賃貸借契約書には書かれていないけど設備と捉えるのが自然です
- 賃貸借契約書の『規定外事項』には、民法に従って解決すると書かれています
- 民法606条には、貸主が修繕する義務を負うと書かれています
- 私たちは故意に破損していません
- お願いされた費用負担を私たちがすることはお断りです
- 法律に則って、貸主様がご負担いただきたいです
ただまぁ、これを貸主さんに伝えるのは申し訳ない気持ちもありました。
だってたぶん、貸主さんは浄化槽の清掃がいることとか、賃貸借契約書から抜け落ちていたことを知らなかったと思うんですよね。物件貸しに慣れてはいなさそうだったし。
これはほんとに、某不動産会社のミスだと思います。責めるべきは某不動産会社。
だから、貸主さんに「負担してくれ」っていうのは心苦しかったんだけど、法律的根拠に則ると、貸主さんが負担することになるので・・・。
結果:貸主さんが負担することになった
上記のメールを送ったら、1週間以上間があいたんですけど、返事がきました。
結論だけ書かれていましたけど、こちらの要望が認められて、貸主さんが浄化槽の清掃代を負担することになりました。
メールでのやり取りなので、言い合いや喧嘩は無し。淡々としたやり取りになっています。なるべく角は立てたくないからね。
最後に 不当な要望でも『同意』したら借主負担になってしまうから気をつけよう
こういった、契約書に定めのない設備が壊れたっていうひと。たぶん、世の中でたくさんいると思うんです。
何か向こうから「あなたが負担してくれ」っていう話があったとしても、「それは断っていいんだよ」って伝えたい。
そうした時は、ちゃんとネットで調べてもらって。
自分がわざと壊したんじゃないなら、原則は貸主が修繕しないといけない。費用負担も貸主になる。
でも、『負担をお願い』されて、「わかりました!」って言っちゃったら、私たち借主が負担することになってしまう。
知らない人は負担を求められて、同意してしまうと思う。借主は素人だから、法律も良く知らないし、「負担して」と言われたら「負担しないといけないんだ・・・」と思って了解してしまうと思う。
知らない人が、不当に損をしているのではないか。そう思うと腹が立ってくる。
不動産会社は、法律上の答えを知っているだろうけれど、優しく教えてくれるとは限らない。不動産会社は、借主の味方とは限らない。
私たちが賢くなって、ちゃんと調べて、『負担してほしい』というお願いはキッパリ断る。
感情的になる必要はない。不当な要望は毅然と断って、法的根拠を伝えて、舐められないように。
この体験談が誰かの役に立てば嬉しいです!
コメント